今は亡き御方。であってましたか?わたしの記憶が正しければ、お亡くなりになっていたと思います。
栗本薫先生。わたしの中では、グイン・サーガシリーズの作者です。最初は男だと思っていました。ほら、グイン・サーガって表紙とかが雄雄しくて、こういう小説の作者は男に違いない!と思っていたのです。懐かしいですね、中学生くらいの話です。
でも、一度も手をつけたことがないのは、一重に、シリーズが長すぎるから(笑)
しかも、終わっていないと知ったので、コレは後回しにしよう。と思った記憶があります。
さてはて、それでいきなりの短編集です。
元々、わたし個人は短編集が苦手です。キャラクターやストーリーに入り込む前に、話がぶっつりと終わってしまって、もう少し先が読みたい!と思ってしまうから。でも、導入としては良いかな、と。
あとがきを読んでから知りましたが、栗本先生は作曲もなさっていたんですね。とても活動の幅が広かったようです。で、作った曲から書き起こしたのがこの小説だとか。
最初に、イメージしたものを曲にして、曲から再度、イメージを具現化させたものなのだそうです。
どれもこれも、全く違う世界観で不思議だなぁ…と思いましたが、そういうわけなのだそうです。
『タンゴ・トリステサ』だったかな、あれだけは、わたしにはそりが合わない内容でした。よくわからぬ。
まあ、やっぱり、JUNE系の大御所でもあるだけに、そこはかとなく香り立つ腐臭がなんともいえません。
えっ!?なんでここで、いきなりJUNE!?なんていう部分もありました。台詞の端々から感じられる、ちょっとした背徳感とかは、さすがJUNEです。BLではなく、JUNE。ここは大きな違いだと思います。
BLは最初からそれが受け入れられているけれども、JUNEはそうじゃないものだと勝手に思っています。わたしの腐女子への第一歩で手を出した小説は『間の楔』と『花夜叉』だったので、初っ端から極端な方向に走ったものだと、今でも恐ろしいものです。
とりあえず、もう、グイン・サーガシリーズは先に進むことはないのだし、手を出しても良いかもしれないと思いました。
とても長いので、田中芳樹の『タイタニア』、『銀河英雄伝』とどっちを先に読み出すかわかりませんが…
短編集の割りに、各々の世界観がしっかりしていて、楽しかったです。表題作は、続きがあったらよいなぁ…あの世界の全てがどうなっているのか知りたいです。