『終りなき夜に生れつく』を読んでから本編。
まず言っていいかな、どうした葛城、何があったの葛城、ちょっとやばいよ葛城。
先に山にいた子供3人の話を読んだものだから、変貌っぷりにびっくりですよ。
ネタバレ全開で以下。
途鎖国の闇月での話。
イメージはお盆の墓参りとその裏で行われるバトルロワイヤルですかね。
そして、話のメインはバトルロワイヤルのほう。最後の一人がお山の大将になれる。
バトルロワイヤルの参加者はみんな、チャンピオンたる神山を狙って山を登る。
超能力バトルがメインかと思いきや、ただのオマケというか残虐さや不穏さを煽るエッセンスみたいな扱いでした。
エッセンスにしてはグロいんですけどね!
説明があまりないので予想でしかないですが、葛城はかつて実邦が好きだったという設定なんてすかね。それか、あえてそう見えるように書かれているか。
もしかしたら、自分と同じくらい強いのは山の仲間たちしかいないと思っていなのに、全然強そうに見えない実邦にしてやられた屈辱から屈折した恋慕を持ったんですかね?
とりあえず、実邦の相当やばいストーカーと化していて頭がヤバイなこいつは、と思わされます。
では、実邦は?といえば、葛城の目を潰した罪悪感に囚われながらも、神山に匿われてそこから愛しちゃったー!でも、愛されてなかった(知ってた!)この恨み…!という状態で、これがすれ違いというやつか。
実邦自身のイロは強くないながらも貯蓄型で発動したら凄まじいというのが匂わされています。
反動もあるから本人はなるべく使いたくなさそうですね。
貯蓄した分を一気に使うと死ぬかもしれないというハイリスクハイリターン型ですしね。
一応、神山を殺せてよかったね????
善法が母親の幻を見る際、必ず首がない理由については言及されていません。
心理的なものが要因らしいので、もしかしたら母ではなく妻子のときのイメージ(これも言及されてない)に影響されているのかもしれません。
善法、普通に優秀だと思うのにな。
青柳はともかく神山の出番の少なさはすごかったですね。
神山の息子も人らしい言葉を話したのはほんの少しだけ。
いっぱい出てくるけど、人間らしさがすくないの逆にすごい。
ラストについて。
ソクについて言及がありませんが、仏、山仏師、という言葉から『即身仏』が由来かと思いました。
また、全は個、個は全という話から、水晶に魅入られた少年マサヒデ、アッパー系の手術から能力を引き上げ幽霊を見ていた黒塚のふたりもソクになったのでしょう。
というか、黒塚は現れた幽霊(ほとけ)を経由して少年に体を取られてしまったんでしょうね。
じゃあ、黒塚が少年の体を取れたのか?というのは不明です。
予測ではすでに全の中にあり、消えてしまったんじゃないかしらね。
屋島先生の老人には老人なりにできること、とはソクを山に残さないだったのたと思います。
ソクがいたら人は引き寄せられる、引き寄せられた人はソクになる。
『ジャンプ』は進化のことであり、進化が済んだ人はソクになるのでしょう。
さて、それは幸せなのかな?
夜の湖の底に横たわるのはホトケの幻か。