メイド、という言葉から連想されるものは、かわいらしいエプロンドレス、白のヘッドセット、貴族の邸宅や裕福な家庭で働く女性。厳しいメイド頭がいたりするかもしれないし、ひっそり執事と恋愛なんかしていたり。
ファンタジーのそのものですね。
さて、その実態はどうだったのでしょうか?という一冊。
当時の風刺画などもあり、非常にメイドというものがわかりやすいです。
そもそもメイドというのは13歳あたりからスタートするそうです。
そして、職場は上から下まで幅広く、本当にほんのすこし裕福な中流家庭が雇ったりするため、非常に環境は悪かったようです。
衝撃的だったのは、メイドもその職種によっては一生懸命働けども、主人の目の前には決して出てはならぬというもの。存在は確かにあっても、表には出てはいけないというのは、妖精かなにかかしら?と思ってしまいますね。
なお、貴族などは子供もそれにあたり、基本的に社交界デビューまでは表に出るのはよろしくなかったようです。衝撃!
雇用環境は年代を経るにつれ、少しずつ改善していったものの、やはりブラック企業並みというところが多かったそう。
敗血症なんかでやめる例も後を絶たなかったようで、メイドという職業は今でいうところのレジ打ちアルバイトみたいな存在だったのかもしれません。
メイドに夢を持って読むと打ち砕かれ、現実を直視させられますね。
メイド服が制服なら支給するのが雇用主の務めだよー!
執事の日常とかシリーズがあるようなので、興味津々です。